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【理学療法士必見】FMSを用いたスポーツ復帰のための段階的トレーニング

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理学療法士がスポーツで怪我をした人の競技復帰を考える上で、アスレティック・リハビリテーションは絶対に必要になります。

 

例えば、膝の手術からの競技復帰について考えましょう!

 

まずは膝のROMの獲得が大切だと思います!

理学療法士A

 

もちろん大事ですね!

 

でも

  • とりあえず、膝のROM獲得していませんか?
  • とりあえず、セッティングしていませんか?
  • 荷重OKになったら、スクワットやランジしていませんか?

 

別に間違っている訳ではありませんが、なんかシックリこない感じがありませんか?

 

少なくとも私はそうでした!!

 

私はPTの教科書や、ATの教科書で習った通りにリハビリテーションを進めても、うまくリハビリテーションを提供できている感じがしない!

怪我して手術しているけど、そもそも人間のカラダってどうなっているんだろう?

と考えるようになりました。

 

全身のカラダを捉えるには?と思い、FMS(Functional Movement Screen)のセミナーに参加し、動作を勉強しながら実践してみました。

 

すると、臨床で今までシックリこなかった部分が、どんどん解決していきました。

 

今回は、私自身の経験を元に、正しいカラダの使い方をFMS(Functional Movement Screen)のアクティブSLRを例に評価し、どのように実際エクササイズを処方していくか紹介していきたいと思います。

 

正しい身体の使い方とは?

そもそも正しいカラダの使い方って??

理学療法士A

 

人の身体の関節には各々役割があります。

 

例えば、膝関節と股関節を比較してみましょう。

 

膝関節は三次元的に屈曲・伸展運動をするという前提ですが、基本的には屈曲・伸展の矢状面上に大きな可動域を有しています。

対して、股関節は屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋と、全てに可動域を有しています。

 

いろんな考えがあると思いますが、▼のように、基本的には自由度の高い関節と自由度の低い関節がサンドイッチされたように交互になっています。

このような考え方をjoint by joint theoryと言います。

 

怪我のからのスポーツ復帰や予防と考えると、まずは正しく関節が動いているかをチェックする必要があります。

 

しかし、全部の関節をイチからチェックするには、途方も無い時間を要します。

 

そのため、私は怪我や手術した関節以外に、動作を見て、ざっくり問題点があるところを抽出し、問題のある動作を改善できるようにエクササイズを処方しています。

 

参考にしている評価バッテリーがFMS(Functional Movement Screen)です。

 

FMS(Functional Movement Screen)とは

FMS(Functional Movement Screen)は、1995年、アメリカの理学療法士グレイ・クック氏とリー・バートン氏が開発した評価バッテリーです。

 

FMS(Functional Movement Screen)の評価方法

FMS(Functional Movement Screen)は決められた7つの動作をチェックして、▼のように4段階で点数をつけます。

0点・・・動作を行うと痛みをともなう

1点・・・動作を遂行することができない

2点・・・動作を遂行することができるが完全でない

3点・・・動作を完全に遂行することができる

引用:MOVEMENT ファンクショナルムーブメントシステム 動作のスクリーンニング、アセスメント、修正ストラテジー 著者 Gray Cook

 

FMS(Functional Movement Screen)の解釈

まずは0点。

これは、動作に伴い痛みを生じているケースです。

競技に復帰する予定が、動作で痛みを有する場合は競技に復帰できませんよね。

 

 

特に注目すべき点は、1点と2点の境界です。

1点は誰が見ても、「これは動作ができているとは言えないだろー」ということです。

アクティブSLRでいうと、▼のようになります。

  • 踵からの垂線は、膝蓋骨中点/ジョイントラインより遠位

 

2点はこんな感じですね。▼

  • 大腿の中点と膝蓋骨中点/ジョイントラインの間に、踵からの垂線がある

 

臨床では、アクティブSLRで2点を獲得していない人が多く見受けられるので、今回はアクティブSLR獲得のためのコレクティブ・エクササイズについて紹介します。

 

コレクティブ・エクササイズとは

簡単にいうとコレクティブ・エクササイズは、動作のパターンを促すエクササイズです。

 

コレクティブ・エクササイズと筋力トレーニングの違いについて

一般的なトレーニングでは、8〜12回程度の回数を反復することができような負荷で行います。

競技復帰には、もちろん筋力トレーニングが必要です!

しかし、動作の獲得という観点では、筋力トレーニングだけでは物足りないのも事実です。

 

再度いいますが、コレクティブ・エクササイズは、動作のパターンを促すエクササイズです。

そのため、筋肥大やパワーの獲得を目的としません。

回数も4〜8回程度で十分です。

 

目的が違うので、しっかりと使い分けることが必要ですね。

ハヤシ

 

コレクティブ・エクササイズのキーワード

キーワードは2つあります。

 

最初のキーワードは、mobility first(モビリティファースト)です。

まずは、関節が正しく動いているかということが大切です。

 

どれだけ筋力があっても、適切に動かなければ正しい動作は生まれません。

 

次のキーワードは、motor control (モーターコントロール)です。

動作を行う際は、脳は運動野が発火する前に、運動前野が必ず発火します。

運動前野は錐体外路系で、無意識下で体幹の安定させることに関与します。

体幹を安定させるインナーマッスル(腹横筋など)が、正しい活動するパターンの学習をコレクティブ・エクササイズで行います。

 

モーターコントロールのエクササイズは、上肢でチューブを引っ張ったりして、無意識下でパターンをアシストします。

ハヤシ

 

コレクティブ・エクササイズの強度設定

強度はエクササイズを行う肢位で設定します。

  • 背臥位
  • 四つ這い位
  • 片膝立ち位
  • 立位

の順で、支持基底面を減少させて、徐々に強度を上げていきます。

 

赤ちゃんも立ち上がっていく時に、▲のように支持基底面が少なくなる中、重心をコントロールしていきますよね。

動作の獲得も、赤ちゃんの発達の順に沿って、強度を上げていきます。

 

コレクティブ・エクササイズの実際

ここでは、実際のアクティブSLRで2点を獲得するためコレクティブ・エクササイズの一例を紹介します。

 

背臥位でのコレクティブ・エクササイズ

  1. チューブを足底にかけて、アシストしながら上げていく
  2. 反対側の下肢も同様に上げていく
  3. チューブで下肢を上げている状態を保ちつつ、反対側の下肢をゆっくり下げていく

 

これを4〜8回繰り返します。

チューブでアシストする下肢は反対側の膝が曲がらない程度まで上げるのがコツです。

ハヤシ

 

四つ這い位でのコレクティブ・エクササイズ

  1. まず、反対側の大腿部にチューブをかけて、四つ這いになり手でチューブを持つ
  2. チューブがない上肢を頭側へ、下肢を尾側へ一直線になるようにリーチさせる
  3. リーチした上下肢を近づけ、肘と膝をくっつける

 

2と3を4〜8回繰り返します。

体幹部分は反りすぎたり、丸めすぎたりしないように、中間位を保ちましょう。

ハヤシ

 

片膝立ち位でのコレクティブ・エクササイズ

  1. 片膝立ちで手でストレッチポールを下に押し付ける
  2. その状態で、踏み出し下肢を持ち上げる

 

1と2を4〜8回繰り返します。

支持下肢は体幹と一直線になるようにします。

支持下肢の股関節に乗るようなイメージですね!

難しい場合は、手で壁を押して、体幹部分を安定させてください。

ハヤシ

 

支持下肢と体幹を一直線に保って、上部体幹の回旋を行い、負荷をあげることも効果的ですね!

 

このエクササイズは、下肢や上肢の様々な怪我からの復帰の時に実際に使用します。

是非、おさえたい運動ですね!

ハヤシ

 

立位でのコレクティブ・エクササイズ

  1. 片脚で立つ
  2. 体幹を一直線で倒し、上肢を頭側に、下肢を尾側にリーチさせる

 

1と2を4〜8回繰り返します。

このエクササイズでは、支持側の股関節が外転・内転中間位で屈曲していくことがポイントです!

股関節外転・外旋してしまう人が圧倒的に多いです。

ハヤシ

 

まとめ

今回はスポーツ復帰として、正しい身体の使い方をFMS(Functional Movement Screen)のアクティブSLRの動作を評価し、問題点にアプローチするため、エクササイズを処方するという1つの流れを紹介しました。

 

もちろん、FMS(Functional Movement Screen)で動作を評価しなければいけないワケではありません。

 

joint by joint theoryのように、各関節がお互いに役割分担ができていれば、スポーツ復帰をしても比較的安全ですね。

また、正しい関節運動をコントロールすることができれば、怪我の予防にもなりますね。

 

膝や股関節などの関節の機能改善だけでなく、身体全体として動作を捉えると、普段の臨床でやることがたくさん出てきますね。

ハヤシ

 

今回のコレクティブ・エクササイズは、ほんの一例に過ぎませんが、明日から使える内容を紹介させていただきました。

 

是非試してみてください!

 

参考文献

MOVEMENT ファンクショナルムーブメントシステム 動作のスクリーンニング、アセスメント、修正ストラテジー 著者 Gray Cook

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