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【必ずチェックしたい】伸展型腰痛における2つの動作評価

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体を反ると腰が痛いです。

30代男性

 

腰痛はぎっくり腰では急性期であるが、慢性的な腰痛では、ほとんどが身体機能が正常でないことが多いです。

つまり、正しく動作を行えていないことがほとんどです。

 

腰が痛くて腰に対してのみの治療介入も良いと思いますが、その場は良くても、次にお会いした時に、また痛くなっていることが多くないですか?

 

我々は目的を達成するため、行動しています。

 

その行動は重力下で行っています!

 

横に寝て痛みをとっても、患者さんの行動に対してアプローチしていませんよね?

 

腰痛では、どのような生活パターンをしているか、とても重要となってくると思います。

 

ではどのように動作を捉え、問題点を抽出していけばよいでしょうか?

 

今回は、伸展型の腰痛に対して、大きく分けて2つの動作評価に着目して、解説していきます。

 

伸展型腰痛の動作をどのように評価するか

 

  • 脊柱管狭窄症
  • 腰椎分離症
  • 腰椎すべり症
  • 筋・筋膜性腰痛

など

 

様々な病名がありますが、慢性的な伸展型腰痛では患者さんの動作の評価が必要です。

 

基本的には、動作を行い痛みが出現する場合は、その動作の評価を進めていきません。

 

なぜなら、痛みによって正常な動作を評価できないからです。

 

動作の改善を行う場合は、痛みの動作評価は最後となります。

 

そのため今回は、全身の伸展で痛みが出現するので、FFDと回旋動作を評価します。

 

とその前に、動作評価での問題点について解説します。

 

動作評価での問題点

動作評価では、提示された動作ができない場合、2つの問題で動作を遂行できないことがあります。

 

1つ目は、可動性の問題です。

そして2つ目は、安定性の問題です。

 

さらに可動性の問題を、組織の伸張性の問題と関節の可動性の問題の、2つに分けることができます。

 

可動性の問題

以下の2つに分けることができます。

TED(tissue extensibility dysfunction):組織の伸張性機能不全

JMD(joint mobility dysfunction):関節の可動性機能不全



①の例としては、筋の機能低下や神経の緊張、筋の短縮などです。

つまり、筋の問題を示します。

 

②の例としては、変形した関節や亜脱臼、癒着性関節炎などです。

これは、関節構造の問題を示します。

 

安定性の問題

SMCD(stability or motor control dysfunction):安定性/モーターコントロール機能不全

 

動作を行うにあたって、代償動作を行いその動作を遂行しようとすることを示します。

ローカル筋(単関節筋)の機能不全により、グローバル筋(多関節筋)により安定性を代償した。ということを表します。

例えると、動作の姿勢が悪かったり、スムーズでないことです。

 

以上の用語を用いて、これから動作を評価していきます。

 

次に動作に伴う痛みについて解説していきます。

 

動作評価に伴う痛みについて

動作を評価する際に、痛くてできないことや痛いけど動作はできることがあると思います。

 

結論から言うと、痛くないのに評価基準を満たしていない動作を探す必要があります。

 

痛みによって、動作が変化してしまうので、考えづらくなっちゃいますからね!

ハヤシ

 

これから動作を紹介して、評価基準を満たしていなければ、さらに細かく機能を評価していきます。

 

  1. 動作ができている(評価基準を満たしている)かどうか?
  2. 動作に伴い、痛みが出現していないかどうか?

 

この2つをチェックしていきます。

 

身体の相互依存について

前にもお伝えしましたが、身体は構造上動きやすい関節と動きにくい関節に分かれています。

 

この考え方をjoint by joint theoryと言います。▼

動作を適切に行うには、各関節の得意な役割に沿って動作することが望ましいです。

 

今回の動作評価では、各関節の役割に沿って評価していきます!

 

joint by joint theoryについては、▼の記事を参考にしてください。

【理学療法士必見】FMSを用いたスポーツ復帰のための段階的トレーニング

 

伸展型腰痛でチェックしたい動作 ①FFDの動作評価

FFD

この評価は指標にしたいですね。

治療介入後にどのように変わったのかチェックすると、患者さんにフィードバックしやすいですね。

 

手順

足部の内側をつけて両脚で立つ。

つま先を触るように、前に体を倒していく。

 

評価基準

  • つま先を手でタッチすることができるか?
  • 脊柱が自然な弯曲を描けているか?
  • 殿部が後方に移動しているか?

 

この動作で考えられる要素

  • 脊柱の屈曲
  • 股関節の屈曲

 

地面に指先がつかない人は、左右差もチェックしたいので、片膝を屈曲した状態でFFDを評価してみましょう。

 

つかない

全然つかない

30代男性

 

それでは別々に分解して評価していきましょう!

ハヤシ

 

*伸展型腰痛でこの動作が可能で痛みが出現しない場合には、FFDの細かい評価をすっ飛ばし、全身回旋動作評価をチェックします!

 

長座での体前屈

長座位でつま先に指がタッチできるかをチェックします。

 

手順

対象者は長座位になり、つま先に手が触れるように前屈する。

 

評価基準

  • 仙骨が80°で脊柱が均一の弯曲を描いているか?

 

この評価は、下肢が免荷された状態での屈曲動作です。

FFDと異なる点は、重力がかかって運動を行えているかということです!

 

つまり、FFDではつま先にタッチできないが、長座でつま先をタッチできる場合は、荷重下で股関節屈曲を制御できないということになります。

これは、荷重下での股関節屈曲のSMCD示します!

ハヤシ

 

股関節の評価

ASLR評価

手順

背臥位になり、両手を床面におき、足関節を床と垂直にする。

両手を支持脚を地面に押しつけ、足関節の角度を一定にした状態で、膝が曲がらないように、自動で股関節屈曲する。

 

評価基準

  • 70°以上下肢の挙上が可能であるかどうか。

 

注意点

  • 支持脚の足関節が常に床と垂直かどうか?
  • 支持脚の膝関節屈曲の代償が見られないか?

 

下肢挙上が70°行かない場合は、▼に進みます。

 

PSLR評価

手順はASLRと同様です。

下肢を他動的に挙上し、80°の挙上が可能かどうかをチェックします。

 

SLRの評価の解釈

ここでわかるのは、ASLRで70°挙上が可能な場合は、股関節の使い方に問題があるor膝伸展位での股関節の屈曲制限があることが考えられます。

 

  • ASLRで70°挙上が不可能な場合は、PSLRで評価します。
  • PSLRで80°挙上が可能な場合は、膝伸展位での股関節の屈曲制限の問題がなく、股関節屈曲のSMCDを示します。
  • PSLRで80°挙上が不可能な場合は、股関節屈曲のJMD(関節拘縮の問題)やTEDハムストリングスの伸張性低下)が考えられます。

 

脊柱の評価

次に脊柱の評価を行います。

 

腹臥位での脊柱屈曲評価

手順

四つ這いから、股関節を屈曲し、殿部が踵に近づける。

 

評価基準

  • 脊柱が正しく弯曲(腰椎ー胸椎の分節的な屈曲)し、肋骨が大腿部につくかどうか

 

注意点

  • 特に腰椎屈曲が見られないことが多い。

 

背臥位での膝抱えこみ評価

手順

背臥位で両膝を胸に引き寄せる

 

評価基準

  • 大腿部が肋骨につくかどうか(股関節120°以上の屈曲)

 

注意点

  • 仙骨がベッドについたまま、股関節屈曲を行う。

 

脊柱の評価の解釈

腹臥位での脊柱屈曲で、肋骨が大腿部につかない場合は、脊柱屈曲のJMDまたはTEDということがわかります。

背臥位での膝抱えこみ評価で、大腿部が肋骨につかない場合は、股関節屈曲のJMDまたはTEDということがわかります。

 

この場合では、脊柱や股関節の可動性の問題があると捉えて、アプローチしていきましょう。

ハヤシ

 

伸展型腰痛でチェックしたい動作 ②全身回旋動作評価

次に、全身の回旋の動作を評価していきます。

 

全身回旋動作評価

手順

両足部内側をつけて立つ。

両足部が動かない範囲で、可能な限り後ろに振り返る。

 

評価基準

  • 肩が逆側から見えるか(目安では胸椎50°・骨盤50°回旋)?
  • 肩甲帯の動きで代償していないか?
  • 脊柱の屈曲や伸展の過度な代償動作がなさてれいないか?
  • 足部の位置はズレていないか?
  • 呼吸が止まるほどの努力が見られないか?

 

この動作の構成要素

  • 脊柱の回旋
  • 股関節の回旋

 

え!左右差がある!

どっちも振り向きにくい・・・

30代男性

 

そのような場合は、脊柱や股関節回旋を分けて評価していきましょう!

ハヤシ

 

脊柱の回旋評価

まずは、脊柱の回旋動作を評価します。

 

座位での回旋評価

手順

両膝を揃えて、背筋を伸ばして座位をとる。

両手でバーを握り、両肩の上に置く。

対象者は回旋動作を行う。

 

評価基準

  • 回旋が50°以上行えているか?

 

注意点

  • 両膝がついた状態で回旋動作を行う。

 

脊柱の回旋評価の解釈

座位で50°の回旋がある場合は、脊柱の回旋制限が原因で、全身の回旋動作ができていない訳ではない。

つまり、股関節が回旋動作を制限している可能性大!

ということになります。

 

その場合は、股関節の回旋動作評価に移ります!

 

座位で50°の回旋がない場合は、脊柱の回旋の可動性に問題があるケースが多いので、回旋可動域を多く有する胸椎の回旋の個別の評価が必要ですね。

ハヤシ

 

股関節の回旋評価

続いて股関節のの回旋の評価を行います。

 

座位での自動外旋評価と他動外旋評価

手順

背筋を伸ばした状態で座位をとる。

可能な限り自動で股関節外旋する。

他動でも同様に行う。

 

評価基準

  • 回旋が40°以上行えているか?

 

注意点

  • 股関節屈曲や外転の代償していない状態で回旋を行う。
  • 他動では、代償動作を止めて測定する。

 

座位での自動内旋評価と他動内旋評価

手順

背筋を伸ばした状態で座位をとる。

可能な限り自動で股関節内旋する。

他動でも同様に行う。

 

評価基準

  • 回旋が30°以上行えているか?

 

注意点

  • 股関節内転や骨盤挙上の代償していない状態で回旋を行う。
  • 他動では、代償動作を止めて測定する。

 

股関節の回旋評価の解釈

この動作評価で多いパターンは、座位での自動股関節外旋・内旋で評価基準に満たないが、他動股関節外旋・内旋で評価基準を満たす場合です。

これは股関節外旋・内旋のSMCDを示します。

 

また、座位での他動股関節外旋・内旋で評価基準に満たない場合は、股関節のJMDまたはTEDを示します。

 

股関節のJMDまたはTEDの場合はストレッチングや徒手のアプローチが必要ですね!

ハヤシ

 

まとめ

伸展型腰痛では、身体が適切に動いているかをチェックすること、治療介入するにあたって、とても重要です。

 

そのために、痛くない動作を評価することで、身体が適切に動いてかを捉えていきます!

 

評価したい動作

  • FFD
  • 全身回旋動作

 

FFDの動作を分解すると

  • 脊柱の屈曲
  • 股関節の屈曲

 

全身回旋動作を分解すると

  • 脊柱の回旋
  • 股関節の回旋

 

問題があれば、さらに細かく分けて動作を分解して、問題となる痛みがなく、しっかり動けていない動作を捉えることが重要となってきます。

 

ほんの一例ですが、普段の臨床でSFMAを参考に、実際使っている評価を記事にしてみました。

 

皆様のお役に立てれば幸いです。

 

次回は、今回動作ができない患者さんに対して、どのようにアプローチしていくかを説明したいと思います。

 

参考文献

MOVEMENT ファンクショナルムーブメントシステム 動作のスクリーンニング、アセスメント、修正ストラテジー 著者 Gray Cook

 

 

 

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