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まだ、肩だけ評価してるの?結滞動作の評価と理学療法!

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北陸で筋膜、運動、栄養の3本柱で、『北陸の人を健康にする』ことを目標に日々がむしゃに勉強しています!ただ、それだけは食べていけない....結婚してからお小遣い制になって好きなものは買えない.....この現状を変えるために、『理学療法士として、好きなことをして生きていく』方法を発信していきます! 仮想通貨は2017年9月組のネムラーです。

こんにちは!カタ(@katalogpt)です!

 

肩関節疾患を診る際に悩むこととして

  • 痛み(動作時痛・夜間痛)がなかなか取れない
  • 可動域制限が残る

などが、考えられます。

 

日常生活動作に落とし込むと、

  • 棚の上の物が取りにくい(屈曲制限)
  • 駐車券を取りにくい(外転制限)
  • 髪の毛を乾かす時に、髪をときにくい(結髪制限)
  • シャツをズボンに入れにくい(結滞制限)

など、その人によって困る動作は変わってきます。

 

初期の段階では屈曲や外転の可動域制限による、生活動作への支障が多いですが、可動域が拡大してくると結滞や結髪などの、より複雑な動きを要する動作が困難だと訴える人が多いです。

 

確かに肩が上がるようになっても、結滞動作がなかなか改善しない人をよく経験します…..

新人理学療法士

 

カタと一緒に、肩について考えて見ましょう!笑

カタ

 

今回は肩関節の可動域の中でも、結滞動作に着目し、結滞動作を獲得するために必要な評価、理学療法をお伝えします!

 

結滞動作の運動学

結滞動作は複合内旋と呼ばれているように、いくつかの肩関節の運動が合わせって成り立っています。

 

【結滞動作時の肩甲上腕関節の動き】

  • 肩関節伸展
  • 肩関節内旋
  • 肩関節内転

※肩関節の動きに加えて、肩甲骨も動きます。

【結滞動作時の肩甲骨の動き】

  • 肩甲骨前傾
  • 肩甲骨下方回旋
  • 肩甲骨内転 or外転

脊柱の伸展、回旋も必要です。

 

結滞動作の改善を狙うには肩甲上腕関節だけでなく、肩甲胸郭関節、脊柱の動きに対して理学療法を行っていく必要がありますね。

 

結滞動作の制限因子

 

結滞動作は棘下筋、小円筋、烏口腕筋が制限因子になります。

 

棘下筋、小円筋は外旋筋なので、結滞動作を制限するというのはイメージしやすいです!

新人理学療法士

 

結滞動作では棘下筋と上腕骨の長軸が直交するので、棘下筋は小円筋よりさらに制限因子になりやすいんだよ。

カタ

 

烏口腕筋は伸展、内旋で伸張されるので、結滞動作の制限因子として見落とさないようにしなくてはいけません!

 

 

その他の結滞動作の制限因子としては、後方および上方の関節包の緊張が考えられます。

 

これらはあくまで研究で言われていることなので、しっかり評価することが大切です!

 

 

結滞動作の制限因子の評価

結滞動作を数値で評価

結滞動作をして、母指が椎体のどのレベルまで触ることができるかを評価します。

 

 

数値で記録できるので、介入の効果判定に使ったり、理学療法の進捗度合いを患者と共有するためにも使えます。

 

臨床では前方に疼痛を訴える人が多いです。

 

また、椎体を触ることが目的となっていて、体幹屈曲で代償してくる方も多いですね。

 

 

◯注意深く見るポイント

・上腕骨頭が前方偏位していないか?

・体幹屈曲や、肩甲骨の過度な前傾で代償していないか?

 

 

結滞動作時に必要な肩甲上腕関節の動きの評価

肩甲骨面上での内旋の評価

 

肩甲骨面上では靭帯性の制限は少ないため、臨床では評価・治療する時のポジションとしてよく用います。

 

肩甲上腕関節の内旋に関しては、下垂位で行うと、体幹にぶつかって評価できないという理由もあって、肩甲面上で評価することが多いです!

 

肩甲骨面上の内旋時に、最終域で疼痛を訴えることがあるんですけど、何が理由ですか?

新人理学療法士

 

肩甲骨面上の内旋時に前方に疼痛を訴えれば、関節内インピンジメント、もしくは後方組織のtightnessによって上腕骨頭が前方偏位することが原因と考えられられます。

 

肩甲骨面上の内旋時に後方に疼痛を訴えれば、後方組織の伸張痛が原因と考えられます。

 

可動域制限があれば棘下筋の上方繊維の伸張性低下を疑います。

 

外転90°での内旋の評価

 

外転90°での内旋の評価は、痛みを伴う可動域制限を認めることが多いです。

 

可動域制限があれば、棘下筋の下方繊維の伸張性の低下を疑います。

 

外転90°での内旋で痛みがある場合は、肩甲骨面上での内旋評価と合わせて仮説を立てます。

 

肩甲骨面上での内旋で、可動域があれば拘縮が原因かも?、可動域制限がなければ筋の機能低下が原因かも?と考えられますね。

 

外転90°での内旋で後方に疼痛を認める場合は、屈曲90°での内旋も追加で評価します。

 

屈曲90°での内旋で後方の疼痛が増強すれば、小円筋の伸張性低下と、それに伴う伸張痛が考えられます。

 

烏口腕筋の伸張テスト

烏口腕筋は肩甲下筋よりも前方に位置する筋で、上腕骨頭の安定化にも働きます。

 

肩関節を外転・水平伸展・内旋方向に他動的に動かし、可動域、伸張感を評価します。

 

左右差を比較して、結滞動作の制限がある側に、烏口腕筋の伸張性の低下がないかを評価しましょう!

 

これらの評価を組み合わせることで、棘下筋、小円筋、烏口腕筋のどこに伸張性の低下があって、結滞動作の制限因子になっているか仮説を立てることができますね!

 

結滞動作だから何筋!と決め付けるのではなく、必ず評価しましょう!How to ではなく、本質を考えて理学療法をしましょう!

カタ

 

結滞動作時に必要な肩甲胸郭の動きの評価

 

肩甲骨の動きは他動運動→︎自動介助運動→︎自動運動の順で診ていきます。

 

結滞動作で重要な肩甲骨の動きである、特に前傾、下方回旋、内外転の制限がないかを評価しましょう!

 

肩甲骨の動きに限らず、他動運動から始めるのは徒手的介入を行う上での基本ルールです!

カタ

 

 

結滞動作を改善する理学療法

結滞動作を改善するためには、先ほどの評価をもとに、肩甲上腕関節だけでなく、肩甲胸郭関節、脊柱に介入する必要があります。

 

内旋可動域の評価(肩甲骨面上、外転90°、屈曲90°)、烏口腕筋の伸張テストでどの筋が制限因子となっているかが分かったと思います。

 

それぞれの伸張性の改善方法について解説していきます。

結滞動作を制限する筋への理学療法

伸張性の低下がある筋に対して、いきなり持続伸張でストレッチングをかけるより、等尺性収縮を行ってリラクセーションをした後に、ストレッチングをした方が効果的です!

棘下筋の等尺性収縮

上腕骨頭が、過度に前方偏位しないよう注意して行わせることがポイント!

棘下筋上部の持続伸張

上腕骨頭が、過度に前方偏位しないよう注意して行わせることがポイント!

 

棘下筋下部の持続伸張

上腕骨頭が、過度に前方偏位しないよう注意して行わせることがポイント!

 

小円筋の等尺性収縮

 

 

小円筋の持続伸張

烏口腕筋の伸張性の改善

 

獲得した可動域は自動運動で動かせるようになる必要があります。

 

いきなり全可動域を動かすより、少しづつ新たに獲得した可動域まで動かせるように段階的にレベルアップしていきましょう!

内旋の自動運動では相反抑制も起きるので、外旋筋は神経生理学的に抑制をかけることができますね!

カタ

 

肩甲骨面上での内旋の自動運動

 

 

 

上腕骨頭が、過度に前方偏位しないよう注意して行わせることがポイント!

 

 

結滞動作を制限する肩甲骨への理学療法

 

 

①自動運動で滞動作の最終域まで動かしてもらう。

徒手的に肩甲骨を下方回旋させる。

徒手的に肩甲骨を前傾させる。

 

肩甲骨の動きは一例です。十分下方回旋していれば、徒手的な操作は必要ありません!

 

結滞動作を制限する脊柱への理学療法

結滞動作を直接的に制限するわけではないですが、脊柱の動きも重要です。

 

脊柱の伸展

 

脊柱の回旋

 

胸椎の回旋が目的なので、肩甲上腕関節の水平伸展ではありません!

 

あぐらをかく目的として、骨盤の後傾を防ぐためです、

 

もし、骨盤前傾がでるようであれば、▼ハーフストレッチポールを置いて、その上にあぐらをかくと骨盤前傾のポジションがとりやすいです。

 

 

 

 

まとめ

【結滞動作時の肩甲上腕関節の動き】

  • 肩関節伸展
  • 肩関節内旋
  • 肩関節内転

【結滞動作時の肩甲骨の動き】

  • 肩甲骨前傾
  • 肩甲骨下方回旋
  • 肩甲骨内転 or外転

【結滞動作の制限因子になる筋】

  • 棘下筋
  • 小円筋
  • 烏口腕筋

【結滞動作に対する理学療法】

  • 棘下筋の収縮
  • 小円筋の収縮
  • 内旋の自動運動
  • 烏口腕筋の伸張
  • 肩甲骨の前傾・下方回旋の誘導
  • 脊柱の伸展・回旋の運動

複合内旋と言われる結滞動作も、分解して肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節、脊柱と分けて考えていくと理学療法がスムーズにいくかもしれません。

 

今後も、臨床現場での疑問を解決できるように、先行研究や、論文、そして私見を交えながらお伝えしていきます!

 

参考文献

1)結滞動作の制限因子の追求    

2)肩関節痛・頸部痛のリハビリテーション

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3)肩関節拘縮の評価と運動療法

 

 

 

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